ThinkPadの開発秘話について  −レノボ・ジャパン 大和事業所見学会 3

オープニングから続いては、ThinkPadの開発秘話。 それぞれの開発担当の方より「ThinkPad T61」や「キーボード」について、 深くまで掘り下げた話をお聞きする事ができました。
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その内容はまるで、各担当者の拘りの塊り。 思いも寄らないような部分に細かな設計がされている事を知り、 正直(そこまでする?)と思う程です。 特に面白かったのがThinkPadに使われている、キーボードの設計について。
その話に入る前に、ここで一つ断わっておきたい事があります。 今回「レノボ・ジャパンの大和事業所見学会」に参加することのできた私は、 実はThinkPadユーザーではありません。
見学会に来ていた他の参加者は、 ThinkPadのヘビーユーザーと呼ばれるような方達ばかりで、 中には社員よりも詳しいのではないか?と思えるような発言もちらほら聞こえてくる程。 そんな中、ThinkPadユーザーでは無い私は、 居ても良いんだろうか・・と少し罪悪感を感じなくも無かったのですが・・
しかし、自分が知る由も無い技術的な話、特別な施設、開発担当の方々のPCへの拘りなど、 今回の見学会で、沢山の話を聞く事を楽しみにしていたのは同じだと思います。 また、敢えて言うと、それ程詳しくないThinkPad非ユーザーにこそ、 PCに追求している徹底的な拘りを広めて欲しいと思っています。
そういうわけで、特別ThinkPadの細かな部分まで熟知しているわけではない 私ですが、開発者達の話を聞いて特に心に留まった事は、 「キーボードの構造設計」に関して。 (他にも沢山の事が断片的に思い出されるのですが、きりがないので・・)
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キーボードの構造設計をするにあたり、 キーボード打つ際に手にかかるストレスをできる限り軽減する為、 キーが反発する力のバランスを徹底的に研究しているという事や、 キートップ部分の面積・形状、排水、キーの配置..etc..  非常に沢山の話を聞くことが出来、 キーボードとはそれ程複雑な物だったのかと、改めて知るところとなりました。
例えば、キーボードを打つ際のキーが反発する力のバランスですが、 世の中には様々なボタン(キー)があります。ピアノの鍵盤のようなストロークの長いもの、短いもの、 電灯のスイッチのように押すとそのまま戻ってこないもの、押すのに力が要る反発力の強いものなど・・
単純に考えると押す時にだけ力が入っていると思っていたのですが、 そうではなく、戻る際にも指にストレスがかかる為、 長時間キーボードを打ち続けても疲れにくい両者のバランスの見極めが 難しいのだそう。そしてその理想的なバランスを実現したのがThinkPadなどのキーボード。
以前「キーボードの業界に参入したいので、その部分の数値だけ教えて下さい。」 と、他社に尋ねられた事があったそうなのですが、 そのバランス(数値)は、いわゆるレストランに例えると、 何年もかけて編み出したソースや秘伝のレシピのような物であり、もしもそのような所に 前のような質問をしたとしても、まず教えてくれる事はないだろうとおっしゃっていました。 (確かにそうですし、そんな事聞く方もすごいなあと・・ 開発担当である堀内氏の言い方に、不謹慎ながら少し笑えてしまいました。)
キートップ部分の面積に関しては、面積を縦横共に狭くする事によって、 タイプミスを出来るだけ軽減させる工夫をしているそう。 また、横から見たキートップの形状を、穏やかに窪んだお皿状に設計。 本当は平らにすると、キーの内部の構造が単純になるので設計は楽になるのですが、 そうすると今度は使い勝手が悪くなるので敢えて平らにせず、設計の部分の努力で カバーしているとの事。
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また、爪が長い方等が使用する際、ファンクションキー後部に 爪の先があたらないよう3ミリ程度の隙間を設けたり、 ファンクションキーエリアの部分に(キーとキーの間に)バーを入れるなど、 今までキーボードを打ち続けてきて一度も考え付かなかったような 細かな仕事が所々にされています。
あと防水に関してですが、 キーボードをバスタブ構造にする事により、水が侵入しないようにしています。 現在では排水パネルを作って排水も行うようにしており、 ThinkPadの底部を見ると、排水のマークと並んで排水溝が開いているのが見て取れます。 この排水溝、過去にはマークをつけていなかったそうで、 「この穴は何なのか」という質問があった為、マークをつけるようにしたそうです。
そして、ここでは参加者全員にトラックポイント・キャップ・コレクション(クラシック・ドーム/ソフト・ドーム/ ソフト・リム)が沢山配られました。
・・結局キーボードの話ばかりになってしまいましたが、とても勉強になったと思います。(他にも面白い話が沢山あったのですが)
見学会記事はまだ続きます。次は特殊な施設を 利用して行う、トーチャーテストの見学です。 トーチャーテストとは、温度や衝撃、加圧などに対し、ThinkPadがクリアしなくてはならない様々な試験 を行うもので、拷問テストとも言われています。施設の撮影が出来なかったのは本当に残念。
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頂いたトラックポイント・キャップ・コレクション。 大量にあります。
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キーボード。わかりにくいですが、よく見るとバスタブ構造になっているのがわかります。
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2007.07.10 Tuesday | Lenovo 【製品レビュー&記事】 | - | trackbacks(0) | 記事URL
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