さらに向上した性能と強度 最新のThinkpad技術とは?

前記事までは、2008年8月に発売された「 ThinkPad X200 」や「 ThinkPad W700 」の概要などを中心に 述べてきましたが、ここでは今回の新製品に採用されているという、 Thinkpadの最新技術について書いてみようと思います。
(当記事は、2008年8月に行われたThinkpadの新製品説明会「タッチ&トライ」イベントで 見聞きした事を元に作成しています。一番頭の記事はこちらです。)
ThinkPad X200 分解版
ThinkPad X200の分解版。
今回ご紹介頂いた「最新のThinkpad技術」とは、従来のものよりも向上したという 「マシンの冷却性能」、及び「機構部品強度(堅牢性)」に関する事柄。
これらの技術は特に目新しいものではなく、内容自体は、 昨年の大和事業所見学会でお聞きした事と似ています。
しかし、お話いただいた加藤敬幸氏(レノボ・ジャパン ノートブック開発研究所 システム技術 テクニカル・マスター) によると、今回の新製品群に採用されているそれらの技術は従来のものよりも向上し、 更に進化したものである事を強調されており、それは資料からも読み取る事が出来ます。

展示されていたThinkPad X200
例えば冷却性能においては、同氏曰く「冷す」事自体は簡単だそう。
通常、マシンの冷却には空冷ファンが用いられますが、 ファンの回転数を増やして内部の熱を外に逃がしてやる事により、マシン内部の温度を下げる事が出来ます。
しかし、ファンの回転数を増やすと今度はファンの回転する音が問題になってきます。
Thinkpadの冷却技術が特に優れていると言われるのはその部分で、空冷ファンに「ふくろうの羽」をモチーフとした 羽形状の「Tail Wind」を採用し、冷却性能と同時に騒音レベルの低減を実現しています。
空冷ファン
「ふくろうの羽」をモチーフにしたファン。
大きな音を立てずに羽ばたかせる事のできる「ふくろうの羽」を デザインの元とする事により、冷却性能を向上させながらも静音性を保つ事ができるのです。
勿論それだけではなく、緻密な空冷ファンの回転速度コントロールや、 ファン制御とCPU制御とを組み合わせた「Adaptive Thermal Management」などの技術を組み合わせる事により、 効率的な冷却性能を発揮します。
この「ふくろうの羽」等の技術は、以前のThinkpadより存在していたものですが、 今回のモデルでは「第3世代 Thinkpad Owl Silent Technology」と呼ばれるようにさらに性能を向上させたとあり、 前モデル「Thinkpad X61」と「Thinkpad X200」、及び他社製品 (社名は公開せずに)とThinkpadとのマシン内の温度分布&騒音レベル比較のスライドによってその解説がなされました。
温度分布&騒音レベル比較のスライドは撮影禁止であった為、どの部分がどうであったのか等の詳細は記憶していないのですが、 「Thinkpad X200」と比較対象のマシンを同じ環境で動作させた場合、 明らかにX200の冷却性能が勝っている、若しくは冷却レベルは同じであっても、 騒音レベルを抑える能力については明らかにLenovoのマシンの方が高いという結果になっており、 いかにThinkpadが冷却技術において優れているのかという事を知ることが出来ました。
そして、もう一つの「機構部品強度(堅牢性)」に関しては、 内部部品を守っている「Thinkpad Roll Cage」の概要からはじまり、 どのような部分の強化がなされたのかについて、同じく加藤敬幸氏より説明がなされました。
Thinkpad Roll Cage
Thinkpad Roll Cage」とは、軽量で高い強度のマグネシウム合金で作られたフレームの名称。
このフレームで、ThinkPad内部のマザーボードやパーツを囲い込む事により、 回路基盤へのストレスによって発生する歪みなどから内部の部品を守ります。
特に最近のマシンでは多機能化、小型化、薄型化が進んでおり、それに伴って 微細化された部品は外部からのストレスにも非常に弱い為、 これらの傾向(多機能化、小型化、薄型化)が高まるにつれて部品破壊の危険性は年々増大しています。
この「Thinkpad Roll Cage」では筐体へのストレスを受け止め、回路基盤への負荷を最小限に抑えるよう設計されており、 フレームを使用する事によって約40%もの内部回路基盤への負荷削減を実現しているのだそう。
「Thinkpad Roll Cage」も冷却性能同様、以前よりThinkpadに採用されていたものですが、 機構部品強度の向上などを行う事で、より高い堅牢性を追求しています。 (記事記載時点ではThinkpad T/R/W/X300シリーズにおいて採用)
さらに従来のモデル「Thinkpad X61」の設計コンセプトである「Hover デザイン」においても、 今回の「Thinkpad X200」では更に進化した形のものが採用されています。
この「Hover デザイン」とは、マザーボードの中心を密着固定させずに、 筐体内部で浮かんでいるような状態を作り出したデザインの事。
密着させない事により、 筐体にかかる振動やねじれなどの外部ストレスが直接内部に伝わってしまうのを防ぐ事ができるというものです。
Hover デザイン
今回の変更点として、外周・開口部周りに設けられたマグネシウムカバーの壁の数を増やした事、 またマザーボードを機構部品に固定しないデザイン自体はそのまま踏襲していますが、 その固定部の構造において変更がなされており (固定部の構造において、上下のパーツを直接終結し基板を挟みこまない形状とした)、 それによって更なる剛性の向上・基板へのストレス低減を実現しています。
なお、これらの機能によってもたらされるマシンの堅牢性については、 トーチャーテスト(拷問試験)と呼ばれる幾つもの強度評価試験によって十分に確認されており、 Thinkpadがユーザーのプロフェッショナルなツールとして支持される理由も、大部分がここにあると私は思っています。
ちなみにトーチャーテスト(拷問試験)とは、 専用の機器で筐体を局所的に加圧し耐久性を確認する「局所荷重試験」、 開閉でひび割れが起こりやすい液晶画面の耐久性を確認する「LCDひねり試験」、 ある一定の高さから落下した場合の衝撃への耐久試験「落下試験」他、 様々な種類の試験があります。
会場ではその一部分が映像で流されたのですが、 実際にはもっと数多くの試験が行われており、 その試験の過酷さは昨年訪れた大和事業所見学会(拷問テスト見学について) でも十分に認識しています。
キーボードのバスタブ構造
キーボードのバスタブ構造。ちなみにX200は12.1型の小型PCでありながら、フルサイズのキーボードを搭載しています。
この辺りの話はキリがないのでこの位にしておきますが、 他にも液体滴下試験(液体を内部に侵入させない、キーボードに施されたバスタブ構造と呼ばれる設計)や、 HDDの保護強化(浮動式コネクタや特殊ゴム足形状、Active Protection System※)についてのお話 がありました。
※マシンの振動や落下を早い時点で検知し、HDDのヘッドをディスク上から退避させるシステム。 通常の揺れでは作動する事のないように設計されています。
これらは短い時間内での説明で、内容もかなり簡略化したものであった為、Thinpadにあまり詳しくない方(いたのかはわかりませんが) にすると説明不十分な部分もあったかもしれませんが、 今回のモデルが従来のマシンよりもさらに進化した形のものであるように、 今後も複雑化するであろう技術の組み合わせを、 私たちが利用しやすい形として提供していく取り組みがThinkpadの目指すものの一つである、 という事をよく理解する事ができたプレゼンであったと思います。

では次は、今回初めて発売された新ラインナップ「Thinkpad SL」シリーズについての概要と、 このモデルについて思う事などを書いてみようと思います。
新モデルの発売開始から少し時間が経過してしまっているのですが、興味があればお読み下さい。
ふくろうの羽がモチーフ
ふくろうの羽をモチーフにした空冷ファン
X200の内部
Thinkpad X200の内部
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2008.09.10 Wednesday | Lenovo 【製品レビュー&記事】 | - | trackbacks(0) | 記事URL
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